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石狩鍋
石狩川を遡上する鮭を丸ごと味わう、北海道を代表する漁師生まれの鍋。 明治時代、石狩の浜で大漁を祝う漁師たちが、とれたての鮭をぶつ切りにして味噌仕立ての鍋に放り込んだのが始まりとされる。 キャベツやじゃがいもなど北海道らしい具材とともに煮込み、仕上げにバターをひとかけ落とせば、味噌の風味に濃厚なコクが加わって体の芯から温まる。
治部煮
加賀百万石の食文化が生んだ、金沢を代表するおもてなし料理。 鶏肉(本来は鴨肉)にまぶした小麦粉が煮汁にとろみを与え、すだれ麩が上品にだしを含む。 名前の由来には、キリシタン大名の岡部治部右衛門が伝えたという説や、煮る時に「じぶじぶ」と音がするからという説がある。 わさびを添えて食べるのが金沢流の洗練。
もつ鍋
戦後の博多で炭鉱労働者のスタミナ食として広まり、1990年代に全国ブームを巻き起こした博多の名物鍋。 ぷるぷるの牛もつをにんにくと唐辛子が効いた醤油スープでニラ・キャベツとともに煮込む。 コラーゲンたっぷりでヘルシーなのも人気の理由で、〆にちゃんぽん麺を入れるのが博多流。 もつから溶け出した旨味を最後の一滴まで楽しむ。
黒豚しゃぶしゃぶ
鹿児島が誇るブランド豚「かごしま黒豚」を、昆布だしでさっとしゃぶしゃぶにして食べる贅沢な一品。 イギリスから導入されたバークシャー種を400年以上かけて改良した黒豚は、きめ細かい肉質と甘みのある脂が特徴。 薄切りの肉がだしの中でふわりと花開く瞬間を、ポン酢やごまダレでいただく。
のっぺい汁
新潟の正月や祭りに必ず登場する、里芋のとろみが身上の伝統煮物。 根菜や鶏肉をだしで煮込み、里芋が煮崩れるほど柔らかく仕上げることで自然なとろみが生まれる。 仕上げにいくらをのせるのが新潟流の贅沢で、温かくても冷やしても楽しめる。 「のっぺ」の名で各家庭に受け継がれ、正月には必ず食卓に並ぶハレの日の料理。
たこ焼き
「一家に一台たこ焼き器」と言われるほど大阪の暮らしに根付いたソウルフード。 1935年に会津屋の遠藤留吉がこんにゃく入りの「ラジオ焼き」にタコを入れたのが始まりとされる。 だしをたっぷり効かせたサラサラの生地を流し込み、外はカリッと中はトロッと焼き上げるのが理想。 ソース・マヨネーズ・かつお節・青のりで仕上げるおなじみのスタイルは、大阪の粉もん文化の頂点。
神戸牛ステーキ
世界にその名を知られるブランド牛「神戸ビーフ」を、塩とこしょうだけで焼き上げるシンプルなステーキ。 美しい霜降りから溶け出す上品な脂の甘みと、赤身の深い旨味の調和は、但馬の自然が育んだ芸術品。 鉄板焼きで目の前で焼き上げてもらうスタイルが、神戸の食文化そのもの。
牛タン焼き
仙台駅前の牛たん通りに店が並ぶ、仙台を代表するご当地グルメ。 戦後の仙台で、GHQが消費しなかった牛タンに着目した料理人が焼き物として提供したのが始まり。 厚切りの牛タンを炭火で香ばしく焼き、麦飯とテールスープを添えるのが仙台式の定番セット。 噛むほどに広がる肉の旨味と、さっぱりしたテールスープの対比が絶妙。
ジンギスカン鍋
中央が盛り上がった専用鍋でラム肉と野菜を豪快に焼く、北海道民のソウルフード。 大正時代に羊毛増産のため飼育された羊を食用にしたのが始まりとされる。 もやしや玉ねぎなどの野菜を鍋の周囲に並べ、ラム肉の脂を受けながら焼く。 甘辛いタレに漬けて食べれば、羊肉のクセが旨味に変わる。
米沢牛のすき焼き
日本三大和牛のひとつ「米沢牛」を、鉄鍋で砂糖と醤油の甘辛い割り下でさっと煮るすき焼き。 きめ細かい脂が熱で溶けて甘く香り立ち、溶き卵にくぐらせれば至福の一口に。 明治時代にイギリス人教師チャールズ・ヘンリー・ダラスが米沢牛の美味しさを東京に持ち帰り、全国に広まったとされる。
こづゆ
会津の冠婚葬祭に欠かせない、干し貝柱のだしが上品に香る格式あるハレの汁物。 内陸の会津で海の貝柱を使うのは、かつて越後との交易で運ばれた名残。 里芋・にんじん・きくらげ・豆麩などの具を小さく切り揃えて丁寧に仕立てる。 「何杯でもおかわりしてよい」のがこづゆの礼儀で、朱塗りの浅い椀で供されるのが正式な姿。
飛騨牛の焼肉
飛騨の清らかな水と厳しい寒暖差が育む「飛騨牛」を、炭火の焼肉でシンプルに味わう一品。 きめ細かな霜降りと、とろけるような食感が特徴のブランド牛は、塩やわさび醤油など最小限の味付けでこそ真価を発揮する。 高山の古い町並みを歩いた後の贅沢として、飛騨を訪れる旅人に愛されている。
芋煮
秋になると河原に大鍋が出現する——山形の「芋煮会」は県民にとって紅葉狩り以上の秋の一大行事。 里芋と牛肉を醤油ベースで煮込む内陸風が定番だが、庄内地方に行くと豚肉の味噌仕立てに変わる。 江戸時代、最上川の船着場で船頭たちが里芋を煮て食べたのが始まりとされ、日本一の芋煮会フェスティバルでは直径6mの大鍋で数万食を一気に作り上げる。
あんこう鍋
「西のふぐ、東のあんこう」と称される冬の味覚を、茨城の流儀で味わう濃厚鍋。 本場のどぶ汁は水を一切使わず、鍋底であん肝を空炒りして味噌と練り合わせ、野菜の水分だけで煮上げる豪快さ。 あんこうの身・皮・肝を丸ごと使い切る漁師の知恵が詰まった一品で、大洗や北茨城の冬の夜に欠かせない。
きりたんぽ鍋
潰したごはんを杉の棒に巻きつけて香ばしく焼いた「きりたんぽ」を、比内地鶏の濃厚なだしで野菜やきのこと煮込む秋田の冬の味覚。 大館・鹿角地方の山仕事の携行食が起源とされ、新米の季節には収穫の労をねぎらう「たんぽ会」が県内各地で催される。 せりは根っこごと鍋に入れるのが秋田流で、シャキシャキとした歯ごたえが鍋の味を引き締める。
てこね寿司
志摩の漁師がカツオ漁の合間に、醤油ダレに漬けた刺身を酢飯と手で「てこねる」ように混ぜ合わせたのが始まり。 新鮮なカツオの切り身を醤油・みりん・しょうがのタレに漬け込み、大葉やごまを散らした酢飯に豪快に盛り付ける。 お伊勢参りの旅人にも振る舞われた歴史があり、志摩の海の恵みを一皿で味わえるおもてなしの寿司。
柿の葉寿司
吉野の山里で、若狭から届く塩鯖を酢飯と合わせ、殺菌作用のある柿の葉で包んだ山村の保存食。 一晩重しをのせて寝かせると、柿の葉のほのかな香りが酢飯に移り、鯖と飯がしっとりなじむ。 食べるときに柿の葉をそっと開く所作もまた、吉野の食文化を旅する楽しみのひとつ。
ままかり寿司
「隣の家からまま(ごはん)を借りに行くほど美味い」が名前の由来という、岡山の瀬戸内を代表する郷土寿司。 ままかり(サッパ)という小魚を酢じめにして酢飯にのせた素朴な一口寿司だが、酢の酸味と小魚の旨味が絶妙に調和する。 岡山以外ではなかなか出会えない魚であり、瀬戸内を旅する理由になる一品。
カツオのたたき
春の「初鰹」と秋の「戻り鰹」で年に二度旬が訪れる、土佐を象徴する豪快な一皿。 藁火で一瞬のうちに表面を炙り、すぐに氷水で冷やすことで、外は香ばしく中は鮮やかな赤身のままに仕上げる。 にんにくスライス・みょうが・大葉などの薬味をこれでもかと盛り、ポン酢をたっぷり回しかける。 地元では塩だけで食べる「塩たたき」も人気。
もんじゃ焼き
もんじゃ焼きは東京・月島が聖地として知られる、もんじゃストリートに店が連なる下町の粉もん文化。 だし入りの緩い生地にキャベツや切りいか・もちなどの具を混ぜ、鉄板で薄く焼きながら小さなヘラでこそげて食べる。 お好み焼きと違って「おこげ」を楽しむのが醍醐味で、ビールとの相性は下町の夜に欠かせない。
近江牛のすき焼き
日本最古のブランド牛ともいわれる「近江牛」を、甘辛い割り下で野菜とともに煮る滋賀の贅沢なすき焼き。 400年以上の歴史を持つ近江牛は、琵琶湖の水と豊かな自然で育まれたきめ細やかな肉質が特徴。 溶き卵にくぐらせれば、とろける脂の甘みと卵のまろやかさが口の中で溶け合う。
串カツ
豚肉・玉ねぎ・しいたけなど好みの食材を串に刺し、薄めの衣でカラッと揚げる大阪の下町グルメ。 新世界のジャンジャン横丁が聖地として知られ、「ソース二度漬け禁止」のルールは全国的に有名。 キャベツをソースのスプーン代わりにするのが大阪流で、ビールとの相性は言うまでもない。
ふぐ鍋
下関では「ふく」と呼ぶ縁起のよい高級魚を、昆布だしの鍋で味わう山口の冬の贅沢。 透き通るほど薄く引いたふぐの身をさっとだしにくぐらせ、ポン酢ともみじおろしで食べる。 淡白ながら噛むほどに甘みが広がる上品な味わいは、明治時代に伊藤博文が下関で解禁したという逸話とともに語り継がれている。
佐賀牛ステーキ
全国有数のブランド牛「佐賀牛」を厚切りステーキで豪快に味わう一品。 きめ細かなサシが入った柔らかい赤身は、シンプルに塩とこしょうで焼くだけで甘い脂の旨味が口いっぱいに広がる。 佐賀の温暖な気候と清らかな水で育てられた牛肉の実力を、最もストレートに堪能できる食べ方。
宮崎牛焼肉
内閣総理大臣賞を幾度も受賞した日本屈指のブランド牛「宮崎牛」を、シンプルな焼肉で味わう贅沢。 きめ細やかな霜降りと、赤身の濃い旨味が特徴で、塩だけで食べてもその力強さが伝わる。 温暖な宮崎の風土と丹精込めた飼育が生んだ味わいは、一度食べれば忘れられない。
鶏飯(けいはん)
奄美大島で400年以上の歴史があるとされる、島の最高のおもてなし料理。 ほぐした鶏肉・錦糸卵・しいたけ・たくあん・のりを彩りよくごはんに並べ、透き通った熱々の鶏だしをたっぷり注いでかき込む。 もとは薩摩藩の役人をもてなすために考案されたともいわれ、さらさらと喉を通る上品な味わいの中に、島の人々の真心が込められている。
皿鉢料理(家庭版)
直径40cmを超える大皿にカツオのたたき・寿司・揚げ物・煮物などを豪快に盛り合わせる、高知のおもてなし料理。 宴席では何皿もの皿鉢が並び、客は好きなものを好きなだけ取り分けて食べる。 「おきゃく」と呼ばれる高知の宴会文化を象徴する大らかなスタイルで、酒好きの土佐人気質がそのまま料理に表れている。
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